動画広告
video動画広告の代表例ともいえるYouTube広告ですが、機能や設定の項目が多く、どのように始めればいいのかわからない方も多いのではないでしょうか。しかし、YouTube広告で成果を出すためには、この設定が重要なポイントとなります。
本記事では、YouTube広告の効果を最大化するために知っておきたい、重要度の高い5つのポイントをご紹介します。YouTube広告の出稿が逆効果になってしまうケースやその対策についても解説しますので、YouTube広告で失敗したくない方はぜひ参考にしてください。
目次
YouTube広告で期待できる効果
YouTube広告で期待できる効果としては、次のような例が挙げられます。
- 幅広い層へ訴求できる
- ニーズが顕在化しているターゲットへリーチできる
- 潜在層にもプッシュ型でプロモーションできる
- LPに直接遷移させられる
このような要素を広告に求めている方は、YouTube広告を積極的に活用することをおすすめします。それぞれの効果について、YouTube広告ならではの特徴と絡めてご紹介します。
幅広い層へ訴求できる
出典:YouTube 視聴はより多様に、YouTube の最新動向と利用実態
YouTubeは日本国内の利用者数が7,000万人を超えており、老若男女を問わず多くの人が利用する動画共有プラットフォームです。テレビを見ない若者や、InstagramなどのSNSを知らない高齢者であっても、YouTubeで動画を見ているというケースは少なくありません。
こういった背景から、テレビCMやSNS広告などではリーチできないユーザーに対しても、YouTube広告であればリーチできる可能性が高いといえます。どの媒体で広告を出稿しようか迷っている場合、まずはYouTube広告を出稿をしておけば間違いないでしょう。
ニーズが顕在化しているターゲットへリーチできる
出典:Web広告はどれがいい?ターゲットで選ぶアプローチ方法【Webプロモーションで成果を出すためのWeb広告活用術】
YouTubeは検索ツールとしても活用されており、具体的な悩みや課題について調べているユーザーへのアプローチも可能なため、ニーズが顕在化しているターゲットへリーチできます。
たとえば、痩せる方法や筋トレの方法をYouTubeで検索している層に対して、フィットネスクラブのYouTube広告を流すことは非常に効果的です。また、野菜の育て方を検索したユーザーに、家庭菜園グッズや肥料の動画広告を流してもいいでしょう。動画広告はリスティング広告やディスプレイ広告と比べてイメージを伝えやすいですから、購買意欲を刺激する効果が期待できます。
なお、YouTube広告には性別や年齢、興味関心でユーザーをセグメントできるターゲティング機能も備わっています。先ほどのフィットネスクラブの例で考えると、20代の男性にターゲットを絞り、春先に動画広告を流してもいいかもしれません。夏に間に合う筋トレ方法を訴求すれば、外見を気にしているユーザーの行動喚起に効果を発揮するでしょう。
潜在層にもプッシュ型でプロモーションできる
時間を潰すための手段としてYouTubeを視聴している層も少なくありません。このようなニーズが顕在化していない潜在層に対して新商品の動画広告を流すことで、プッシュ型のアプローチも可能になります。
プッシュ型・プル型
プッシュ型広告:企業が顧客に向けて直接的に訴求する広告。ニーズ潜在層へのアプローチに向いている。例)動画広告・ディスプレイ広告など
プル型広告:顧客から企業に接触するよう誘導する広告。ニーズ顕在層へのアプローチに向いている。例)検索連動型広告・リターゲティング広告など
リスティング広告ではニーズ顕在層、ディスプレイ広告ではニーズ潜在層へのアプローチが主となりますが、YouTube広告では顕在層・潜在層のどちらにも訴求できます。
LPに直接遷移させられる
テレビCMやTVerなどと異なり、ユーザーをLPへ直接遷移させられることもYouTube広告のメリットの一つ。
ユーザーを購入や申し込みなどのコンバージョンまでシームレスに行動させられるYouTube広告では、コンバージョンへ誘導するための構成を意識した動画制作が重要に。動画内にユーザーの行動を喚起させるようなメッセージを加えるなどの工夫を施すとよいでしょう。
動画内に購入や申し込みなど、YouTube広告の課金方式と費用相場
YouTube広告で成果を出すためには、課金方式と費用相場についても知っておきましょう。YouTube広告の課金方式は、次の3種類です。
種類 | CPC(Cost Per Click) | CPV(Cost Per View) | CPM(Cost Per Mille) |
---|---|---|---|
課金方式 | クリック単価 | 視聴単価 | インプレッション単価 |
課金タイミング | ユーザーがクリックしたタイミング | 30秒間視聴されたタイミング ユーザーがクリックしたタイミング | 動画が表示されたタイミング |
単価相場 | 約2~25円 | 約5~10円程 | 約400~1,000円 |
適用フォーマット例 | インフィード動画広告 | スキップ可能なインストリーム広告 | バンパー広告 スキップ不可のインストリーム広告 |
CPCとCPVであれば、ユーザーがクリックなどの行動を起こしたときにのみ課金されるため、効率的に予算を消化できます。単価ごとの費用相場は業種・業態にもよりますが、おおむね上記の表の範囲に収まるでしょう。
オークション方式(入札方式)
YouTube広告では、「入札金額」と「品質スコア」の2つの側面から表示広告が判断されるオークション方式が採用されている。
品質スコア:広告品質を表す数値のこと。LPの品質や関連度などが判定基準となる。
入札額が低い場合でも、品質スコアが高ければオークションに勝てる可能性があるため、動画やLPの内容にも考慮する必要がある。
YouTube広告の効果を最大化するための5つのコツ
ここまでお話しした前提をもとに、YouTube広告の効果を最大化するための5つのコツをご紹介します。
- 予算設定
- ターゲティング設定
- 広告の目的にマッチした出稿形式を選ぶ
- 出稿形式に適した動画素材を制作する
- 動画と遷移先LPのメッセージに一貫性をもたせる
記事前半で触れたフィットネスクラブの例を参考に、それぞれの考え方について解説します。
1.予算設定
YouTube広告の予算を立てる際は、顧客の獲得コスト(CPA)と期待される顧客生涯価値(LTV)を基準にすると考えやすいです。
フィットネスクラブの料金プランが毎月5,000円・継続利用期間が6か月だとすると、LTVは5,000円×6か月=30,000円になります。わかりやすいように利益率を50%に設定した場合、利益は15,000円になりますから、ここからCPAを決定しましょう。
15,000円の利益の40%をCPAにすると考えた場合、顧客一人あたり6,000円を広告費に回すことが可能です。YouTube広告で100人の顧客を獲得したい場合は、6,000円×100人=600,000円の広告予算が必要になると計算できます。
LP遷移後のコンバージョン率が1%だとすると、10,000ユーザーを遷移させれば100人の顧客を獲得できることに(10,000ユーザー×1%=100コンバージョン)。つまり、600,000円で10,000ユーザーを遷移、すなわち10,000クリックさせた場合の上限CPCは60円になり、この数値を基準としてYouTube広告を運用していくことになります。
なお、YouTube広告をコンバージョンに最適化させる場合は、「動画アクションキャンペーン(VAC)」の広告フォーマットを選ぶのがおすすめです。広告出稿の目的が認知拡大の場合は、テレビCMと同じく、ユーザーへの接触回数などから予算を決めていきましょう。
2.ターゲティング設定
YouTube広告では詳細なターゲティング設定が可能なため、前段階で算出した予算を参考に、どのような層をターゲットとするかを検討します。
先ほどのフィットネスクラブの事例では、上限CPCは60円でした。これはCPCの相場(2円〜25円)と比べると余裕がありますから、ターゲット層をもう少し広げてみても問題ないかもしれません。
上限CPCとターゲット範囲の関係
一般的に、ターゲットを広くするとその分コンバージョン率が下がるため、上限CPCも下がる。目標コンバージョン数が100の場合、コンバージョン率1%では必要ユーザー数が10,000であるのに対し、コンバージョン率0.5%では必要ユーザー数が20,000となる。
ターゲット層を「20代〜40代の男性」と比較的広めに設定し、コンバージョン率が0.5%に下がると仮定すると、100人の顧客を獲得するためには20,000ユーザー(20,000クリック)が必要に。この仮定では、広告予算600,000円÷20,000クリック=CPC30円を前提に、運用方針を考えていくことになります。
なお、上限CPCに余裕がない場合は、コンバージョン率を高めるためにターゲットを絞る必要があることも覚えておきましょう。
3.広告の目的にマッチした出稿形式を選択する
出典:YouTube広告の代理店・運用代行はAdMarketへ
予算とターゲットを決めたら、出稿目的にマッチした出稿形式を選びます。
ここまでフィットネスクラブを例に、CPC30円で20,000クリックを達成する前提で計算してきました。この事例での最終目標は「フィットネスクラブへの入会申し込み」。入会の申し込みをしてもらうためにはLPへ遷移させる必要があり、この「LPへの遷移を促す」ことこそが、YouTube広告を出稿する目的となります。
このようにLPへ遷移させることが目的の場合は、インフィード動画広告や動画アクションキャンペーン(VAC)などでの出稿が適しています。広告出稿の目的によって適したフォーマットは異なるため、どのフォーマットで出稿するのがよいのかを一度広告代理店へ相談してみてもいいでしょう。
関連記事:【種類別】YouTube広告の費用相場はいくら?課金の仕組みも解説
4.出稿形式に適した動画素材を制作する
出典:YouTube広告の代理店・運用代行はAdMarketへ
広告予算とターゲット、出稿の形式(フォーマット)が決まれば、動画素材を制作しましょう。YouTube広告はフォーマットによって入稿規定が異なるため、出稿形式の認識を映像制作会社とあらかじめ共有しておくことが重要です。
映像制作は映像制作会社、広告運用は広告代理店に依頼するケースも多いかと思いますが、映像制作とYouTube広告運用の双方に対応している広告代理店であれば、出稿戦略に沿った動画素材を制作してくれます。
広告戦略にマッチした動画を制作すれば、YouTube広告でより高い成果を得られるでしょう。YouTube広告の出稿を考えている場合は、動画制作から広告運用までを一貫して任せられる広告代理店に依頼することをおすすめします。
5.動画と遷移先LPのメッセージに一貫性をもたせる
YouTube広告からCTAボタンなどでLPへ遷移させる場合には、動画と遷移先のLPのメッセージに一貫性を持たせることも重要です。たとえば、先ほどから例に挙げている「20代〜40代の男性」をターゲットにしたフィットネスクラブの広告であれば、次のようなメッセージが有効です。
- 夏のプールでも自信が持てる
- 人生で一度はシックスパックの腹筋を手に入れよう
- パートナー好みの筋肉を最短距離で実現
YouTube広告では上記のようなメッセージを訴求しているにもかかわらず、LPで「価格」や「設備の安全性」をメインに訴求してしまうと、ユーザーの意欲が削がれてしまい、離脱してしまう可能性も。YouTube広告と遷移先のLPで一貫したメッセージを伝えることで、ユーザーの行動を促進させられるでしょう。
YouTube広告が逆効果になるケースとその対策
さまざまな場面で有用なYouTube広告ですが、少なからず逆効果になってしまうケースもあります。YouTube広告の出稿時には、下記のような点に注意しましょう。
- 広告を見てもらえない可能性がある
- イメージの悪化につながるおそれがある
- フリークエンシーの増大によって嫌悪感を抱かれやすい
それぞれ逆効果となってしまう原因と、その対策について解説します。
広告を見てもらえない可能性がある
「スキップ可能なインストリーム広告」は最初の5秒が経過するとスキップされる可能性があるため、訴求ポイントを動画の中盤以降に持ってきてしまうと、訴求内容をユーザーに伝えられないかもしれません。
そのため、スキップ可能なインストリーム広告で動画広告を出稿する場合は、スキップできない冒頭の5秒間に訴求ポイントを持ってきたり、ユーザーの興味を引きつけられるようなインパクトのある表現を入れたりしなければなりません。
スキップされないことを想定して動画素材を制作したい場合は、「スキップ不可のインストリーム広告」や「バンパー広告」などのフォーマットで出稿するという選択肢もあります。
どういった動画を制作したいのか、どういった目的で広告を出稿するのかなどによって適した広告フォーマットは異なるため、広告代理店と相談してみてください。
イメージの悪化につながるおそれがある
スキップされることを防ぐためには、「スキップ不可のインストリーム広告」や「バンパー広告」などで出稿するという選択肢があるとお話ししました。しかし、安易にこういった動画フォーマットを選ぶと、ユーザーから嫌悪感を抱かれてしまう可能性があります。
これは、YouTube広告はスキップできると思っているユーザーが多いため、広告をスキップできないことで不快感を抱かせてしまい、イメージの悪化につながるおそれがあるため。このようなイメージの悪化を避けるためには、コンテンツとしても楽しめる動画素材を制作するなどの工夫が必要になります。
フリークエンシーの増大によって嫌悪感を抱かれる
YouTube広告の出稿において最も注意すべきポイントは、「フリークエンシーの増大」です。
フリークエンシー
広告が「特定の期間内」に「特定のユーザー(オーディエンス)」に表示される回数のこと。接触回数とも呼ばれる。
YouTubeやテレビを見ていると、何度も同じ広告が流れて嫌悪感を抱いたことがある方もいるかもしれません。フリークエンシーが増えると認知度が高まる一方で、嫌悪感を抱かれる可能性も高くなるのです。
フリークエンシーの増大による悪影響を避けるためには、「フリークエンシーキャップ(フリークエンシーコントロール)」を設定しましょう。フリークエンシーキャップを設定すると、一人のユーザーに対する表示回数を日単位・週単位・月単位で管理できるため、過度な接触を避けられます。
フリークエンシーキャップを設定すべき回数は、商材や訴求内容によっても異なります。適切な回数に設定するためには、動画マーケティングに精通した広告代理店へ相談することをおすすめします。
まとめ
YouTube広告は老若男女を問わず、幅広い層へのアプローチが可能な優れた広告媒体です。しかし、その効果を最大化するためには、次のポイントを押さえることが重要になります。
- 予算設定
- ターゲティング設定
- 広告の目的にマッチした出稿形式を選ぶ
- 出稿形式に適した動画素材を制作する
- 動画と遷移先LPのメッセージに一貫性をもたせる
この記事では広告戦略の一例をご紹介しましたが、戦略に沿った動画素材を作るためには、映像制作から広告運用までを一貫して任せられる広告代理店に依頼することをおすすめします。
AdMarketでは、広告出稿の目的に沿った広告フォーマットの選定から、戦略にもとづいた映像制作、効果を最大化するための運用まで、YouTube広告の出稿に関わるすべての業務をお任せいただけます。YouTube広告以外の媒体への横展開にも対応しておりますので、総合的な映像マーケティングに取り組みたい方はぜひ一度お問い合わせください。
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